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今朝、メールを書いていて、ふと頭の中に金子みすヾの詩のこの一節が浮かんで来て引用しました。
心の中をクリーニングしたいとき、宮沢賢治と並んで金子みすヾの詩集を時々読みます。 金子みすヾ は、あらゆるものの本質をストレートにとらえ、しかもやさしい言葉だけで見事に表現しています。そして、決して人間だけを中心に置かず、すべての生き物や ものや 現象の立場に平等に立って見ています。 読むたびに、新鮮な感動があります。 つもった雪 上の雪 さむかろな。 つめたい月がさしていて。 下の雪 重かろな。 何百人ものせていて。 中の雪 さみしかろな。 空も地面(じべた)もみえないで。 犬 うちのだりあのさいた日に 酒屋のクロは死にました。 おもてであそぶわたしらを、 いつでも、おこるおばさんが、 おろおろないておりました。 その日、学校でそのことを おもしろそうに、話してて、 ふっとさみしくなりました。 不思議 私は不思議でたまらない、 黒い雲からふる雨が、 銀にひかつてゐることが。 私は不思議でたまらない、 青い桑の葉食べてゐる、 蠶が白くなることが。 私は不思議でたまらない、 たれもいぢらぬ夕顔が、 ひとりでぱらりと開くのが。 私は不思議でたまらない、 誰にきいても笑つてて、 あたりまへだ、といふことが。 日の光 おてんと様のお使いが そろって空をたちました。 みちで出会ったみなみ風、 (何しに、どこへ。)とききました。 ひとりは答えていいました。 (この「明るさ」を地にまくの、 みんながお仕事できるよう。) ひとりはさもさもうれしそう。 (わたしはお花をさかせるの、 世界をたのしくするために。) ひとりはやさしく、おとなしく、 (わたしはきよいたましいの、 のぼるそり橋かけるのよ。) のこったひとりはさみしそう。 (わたしは「かげ」をつくるため、 やっぱり一しょにまいります。) 私と小鳥と鈴と 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のやうに、 地面(じべた)を速くは走れない。 私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のやうに、 たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。 金子みすヾ童謡集『わたしと小鳥とすずと』(JULA出版局)より
by muuta2006
| 2006-12-02 16:42
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